
その時、企画が動いた。
〜Orchestra Musikの歴史を瞬間で振り返る〜
Orchestra Musik Vol.4
「 'Beethoven meets Bernstein'」
「巨大、第九。」企画の中止を決定し、オケ企画活動に一息ついていたところ、林にこんな提案がなされた。
「シンフォニーホールで第九するより、CYS(カリフォルニア・ユース・シンフォニー)とジョイントする方が意義深いんじゃない?」
CYS指揮者のLeo Eylarと林の関係は家族ぐるみの付き合いであり、12年前に日本へのツアーを行って以来、時折連絡を取り合っていた。相変わらずチャレンジングな演奏旅行を行っているらしく、折りしもその連絡を貰った際に、
「今回も一緒に何かできれば嬉しいんだけれど、どうかな?」
という提案をLeoから受けていた。
ジョイントコンサートの予算はかなり厳しい。各方面からの寄付や支援が欠かせない。さらに、CYSは相当訓練されたオーケストラだが、こちらはどこまで対応できるだろうか。
そんな不安を感じながらも、林は昨年春にサンフランシスコで見たCYSの本番を思い出していた。
「バーンスタインでいこう。」
現地で見たCYSが演奏するバーンスタインは、本物だった。ならば、こちらは学生オケ永遠の定番で迎えよう。互いの得意曲でのジョイントコンサートなら、ケミストリーが起きるかもしれない。
6月29日、初夏。一瞬の邂逅が果たして何を生み出すのか。物語の結末はページをめくるまで、分からない。