その時、企画が動いた。

〜Orchestra Musikの歴史を瞬間で振り返る〜

Orchestra Musik Vol.5
「 Are you sure?」

第5話「Are you sure?」

「気付いたら手帳が曲で埋まっていて。」
 6月末日。
Vol.4が終了していない内にも関わらず、林と菅原は焼肉を食べに来ていた。
そして、その場で、菅原はもう既に次の企画に向けて動き出している事を打ち明けた。

 もっとも、正確に表現するならば、
「いつも一人で、前倒しで動いている」
ということになるが。

「観客のあるコンサートではなく、身内だけの楽しみとして何かできないか。」
菅原の関心はそこにあった。

 コンサート企画には、
様々な実務と鮮やかなクリエーションと数多くの失敗が求められる。

自分たちがやりたいことは何か。
誰に見に来てもらうのか。
企画に共感してくれる人をどのように募るのか。
コンサートに来場しない人にも、どのようにPRしていくのか。
コンサートを見に来てくれる人、コンサートに来場しない人、企画に共感して参加して くれる人を、どのように納得させるのか。
演奏は、何を、どこまで目指すのか。
時間や費用と普段の生活のバランスをどのようにとるのか。
どのようなコンサートにするのか。

 コンサート企画活動は、考えることと行動することに終始する。

 一見、やりたいことをやっているように見えても、
観客のいるコンサートとなると、色々な折り合いをつける必要がある。
やりたいことをやることと、やりたいようにやることは、現実、異なる。

 しかし、
そんな頭と体を使う活動を本業の傍らに続けていると、疲れてしまう。
たまには何も考えずに、やりたいようにやりたくなる。

 菅原は自分の手帳に初見大会用の曲目リストと自分の想いを書き付けていた。

 後日、
荒川、山口を交えて、考えない選曲が行われた。

 リスト作成後、しばしの沈黙。

・・・・・・

 これ、一日でやるの?

 Are you sure?


 結局はこういうことになるんだな、という妙な安堵感とそれなりの不安ともに、
次回企画が走り出した。